花の名峰 井原山へ春の妖精に逢いにいく【3/25】

カメラ

福岡県と佐賀県の県境に位置する井原山は、標高982m。

花の名峰として、近年有名になりましたね。

この山は私が初めて山の中で咲くお花の群生を見て、「この子たちを撮りたい!」と思った場所です。

私にとって思い出深いところです。

さて、今回はそんな井原山に春の妖精(スプリングエフェメラル)に逢いに行ってきました。

この時期に逢うお花たち。今日はどんな子がいるかな?

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花の名峰 井原山

3月。「春」という言葉が生活の中で聞こえ始めると、ソワソワし始めるのは私だけでしょうか。

寒い冬を乗り越え、小さな芽吹きが動き始めるころ、井原山の水無渓谷周辺の花たちは春の宴の準備を始めているようです。

「春の妖精」いわゆるスプリングエフェメラルといわれる植物たちがいます。

「春の儚いもの」「春の短い命」という意味なのですが、春に花を咲かせたかと思うと、ものの見事に姿を消す植物です。

最近では葉を残し、年中株を見つけることができるものも含め、そのような呼び方をすることもあるようですが、「これは含まれる。それは含まれない。」などいろいろ分析したがるのが人間というものなんでしょうかね。

私は別にその辺はどうでもよくて。

1週間も経てば見られる植物たちや木々の芽吹きの様子がガラリと変わる山の表情が、面白くてたまりませんね。

そんな面白い表情を見せてくれる、春の井原山をご紹介します。

野河内渓谷から水無登山口へ

今回歩いたルートです。

井原山の登山口は複数あります。

私が良く利用しているのは、「水無(みずなし)登山口」ですが、今回は野河内渓谷からのルートを選択しました。

理由は「一度歩いてみたかったから」。

野河内渓谷に登山口があるという訳ではなく、ここからのルートで水無登山口へ向かうというイメージですね。整備されているというか、昔、コンクリで道を作ったのでしょうか、山道というより生活道のような道でした。

駐車場は「野河内渓谷駐車場」を利用してください。無料です。時間制限もないですし、10台くらいは余裕で停められそうな広さです。

この駐車場は道路から降りたところにあるので、標識を見ていないと通り過ぎちゃいます。その標識も大きくはないですしね。

場所を知っている私でも、久しぶりだったためか通り過ぎちゃいました(;^ω^)

地図を見ると、近くに公衆トイレがあるのが分かるかと思いますが、カーブの近くなので道路の横断は十分気をつけてくださいね。ティッシュも持っていきましょう。いつもトイレットペーパーがあるとは限らないので。

ちなみに私は100均のお店で「水に流れるティッシュ」を買っていつも携帯しています。

ここから水無登山口まではトイレはありません。

周りにお店が何件かあるのですが、今も営業されているのかしら?そんな場所を通って、野河内渓谷入り口へ向かいます。

右側の花は桜です。この時はまだ満開手前でした。

左手に行くと野河内渓谷。ここ、夏に来るとめちゃくちゃ気持ちいいです。今日は右へ行きます。

道中に危険な場所はありません。ワンちゃん連れて歩いてもいいな、なんて思いながら歩きました。

飼ってませんけどね(;^ω^)

石垣が出てきました。人が住んでいたのかな?それとも何かの作業場だったのか。

いずれにせよこんな山の中に人の生活の痕跡が残っていることに、驚きます。

少し先に進むと左手に広く開けた場所が出てきました。きれいに平らになっていて人工的な雰囲気もありますが、この広場はなんだろうなあ。

なんだかとても不思議な空間でした。

しっかり舗装されている道が出てきました。やはりひと昔まえには何かに使われていたんでしょうね。なんかそんな感じがしました。

そうこうしていると着きました。水無登山口です。

左手に少し見える建物がトイレです。地域のボランティアの方たちがいつもきれいにしてくださっています。ありがたいですね。きれいに使いましょうね。

山頂を目指さない山行があってもいい

さてここからお花散策が始まります。

今回は山頂は目指しません。そんな山行があってもいいですよね。

水無渓流沿いに歩いて行きます。

ゆっくり歩を進めると、山はいろんなことを教えてくれます。

少しだけ光が差したところがドラマチックな雰囲気に感じたり

触ると感覚がないほど柔らかい芽だったり。

一週間もするとその表情も変わるので、何度歩いても飽きない。

山はいろんなことを教えてくれます。

水無渓谷はお花畑

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ここから渓流沿いに足を進めますが、いろんなお花が出迎えてくれます。

まずはユリワサビ。群生していました。

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これがホソバナコバイモ。環境省では準絶滅危惧に分類されています。

今日の目的はこの子。花が咲く時期を過ぎると不思議なくらい姿を消します。もちろん花を付けるので実も付くのですが、その後は葉の痕跡も私は見つけることができませんでした。

まさしく「春の妖精」。

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背景の草むらに光が当たっていたので、それを花の後ろに持ってきました。少しだけ花がシルエットになりますが、花びらの陰影がきれいだと思ったのでパシャリ。

ホソバナコバイモの魅力は何といってもこのうつむいて咲く姿だと思っています。

そして翼を広げたかのような葉の形。このバランスはまさしく自然の造形美。

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この黄色のお花は「キバナノアマナ」。絶滅危惧ⅠA類に分類されていて、大変貴重なお花です。

福岡が分布の南限だそうです。ということは九州ではここでしか生育していないということですかね。

このお花は太陽の光が大好きなので、お昼ごろ散策すると逢える可能性が高いと思います。

⇧数枚の写真をスライドショーにまとめました。よろしければご覧ください(*’▽’)

まとめ

福岡県と佐賀県の県境にある、花の名峰 井原山(いわらやま)をご紹介しました。

※読み方は「いはらやま」ではなく「いらやま」が正解のようですよ

現在、キトク橋登山口から先の水無林道は通行止めのようですが、詳細は糸島市役所:092-323-1111(代表)でお問い合わせください。

※追記 2025年9月時点 キトク橋から先の水無林道は開通しています

私も以前、林道の様子を知りたくてホームページを見たのですが、特に記載されてなかったので通れるのかなと思ったのですが、やっぱりちゃんと確認しておこうと思って電話してみたことがあります。

そうするとやはりリアルタイムでホームページが更新されているわけではないそう。最新の情報を知ることができました。その時は通行止めになっていたので別のルートを選択することができました。

確かめもせずに現地に行って、通れなかったら時間のロスになりますよね。

登山計画で時間のロスは大きなリスクになりますので。

ISO:200 f/2.8 ss:1/320 写真ACからダウンロード

4月~5月はさらにほかのお花が咲き誇る井原山。イチリンソウ、ニリンソウ、コバノミツバツツジ。

さあ忙しくなります。

帰路はピストンして帰りました。水無では複数の方とすれ違いましたが、それ以外は全く人がいませんでしたね。ゆっくりと森の香りと小鳥たちのさえずりを楽しみながら帰りました。

活動時間は約6時間。歩いた距離は9.2km。山頂まで行かなかったので標高差580mくらいです。

ではまた次の山行でお会いしましょう。

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